2018-06

弦選びの仕方

個人的な弦選びの仕方を書いてみます。

1.購入した時に張ってあった弦を、製作家や楽器店の店員さんに訊いておく。

その楽器の弾き心地や鳴りが気に入って購入に至ったわけですから、
張ってあった弦を平均値(?)として頭に入れておくのは結構重要かなと思っています。

2.高音弦を決める。
高音弦の決め方は
爪との相性+楽器の相性
だと思っています。

僕の指は先が細く、爪の横幅も広くないので、
‘しっかり’タッチしないと音が細く、硬くなりがちです。
指の横幅が広く、爪もある人は
割と太い音が出やすいように思います。

勿論、タッチを深くしたら細い弦でも濃い音は出せます。
しかし、早い曲なんかはグッ押し込むタッチばかり使っている場合ではないので、
軽いタッチでもそこそこの太さがでるように、
僕はその楽器が対応してくれる範囲で高音弦は出来るだけ太くセッティングします。

指が細く自分の音が細くなりやすいな・・と思う方は
高音弦は太めにする事をおすすめします。

逆に指が太くて、音がモコモコし過ぎるな・・と思う方は
細めにセッティングします。

ノーマルよりハードを張ってる人の方が左右の指がしっかりしている。=上手い。
みたいに思っている人が結構いるのですが、そんな事はありません。
指頭と爪との相性だと思います。

個人的には
高音弦の太さは弾き心地にあまり影響がなく、
セーハがしにくくなったりとかは、
殆どが低音弦、ネックまたは指の相性が悪いからなのではないかと思っています。

相性さえ良い弦であれば、
ハードの方がノーマルより押さえ心地が柔らかい。軽い!
と感じる事もあるような気がします。

好みの弦の太さが決まったら、
あとはメーカーの選定ですね。
あとは楽器との相談になります。

「もっと柔らかく」「もっと艶が欲しい」
「もっと芯を硬く」

ギターが変われば、弦でのメーカーの違いへの反応もそれぞれです。
難しいですねぇ・・。

お金と時間がかかりますが、ゆっくり楽しんで選定していきましょう。

3.低音弦を決める。
高音弦のセットの音質に合わせ、低音弦を決めていきます。
分離の良いセッティングが好みなら、
あまりタワミを取る必要がないサバレスやハナバッハのようなシャープな弦を。
しっかり重さをかけて弾きたい場合は、
しなやかさがあるプロアルテやオーガスチンを。

低音がドロドロして楽器の分離が悪いんじゃないかと思った場合、
低音弦セットを軽くします。

僕の場合は、
高音弦をハード+低音弦ノーマル
みたいなセッティングを良くします。
個人的にはあまり低音に寄らないのが好きです。


ちなみに自分のグロップには、
クリスタルナイロンのハードで弾いていると、鳴りが少し硬くなったので、
1週間プロアルテ・ハードにして、柔らかい鳴りを覚えてもらって、
再びクリスタルナイロンに戻したところ、良い感じになりました。
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弦もバランス?

弦はずっと同じものを張っていると
音が詰まったり、響きがなくなっているように感じる時があります。

特に①弦。

そういう時は違う弦を張ってみるようにしています。
楽器の硬さも取れたり、耳もリフレッシュできます。

以前の楽器では、
メインをオーガスチン・リーガルにして、
疲れたらドーガルディアマンテのストロングのローテーションでした。

今回のグロップは
クリスタルナイロンが現在メインなので、
ハナバッハのハードか・・芯の太めの弦が良さそうな予感がしています。

普段張っている弦と正反対の弦を張ってあげると良いと思います。

羊腸弦(リアルガット)の音色

現在のクラシックギターの音色はだいたいナイロン弦の音色を基準に語られていると思います。
いちいち‘羊腸弦’と書くのはナイロン弦の事を現在も‘ガット弦’と呼ぶ事が多いからです。

羊腸弦の音色の典型的な音色を紹介します。(?)
マエストロ、カルロス・トレパット氏の演奏です。Antonio de Torres の1884.年製"La Invencible"使用。

こちらはAli Arango 氏による同じ楽器にナイロン弦使用。Antonio de Torres の1884.年製"La Invencible"。


全然違いますよね~。
羊腸弦はザラザラ、モコモコなハスキーボイス。しかし響きのある場所で聴くと、
ナイロン弦にはない強烈な輝きを感じます。

ナイロン弦はクリスタルガラスのような透明感、音色の変化に富み、音に厚み、重さもありますね。
こちらの方が透明感があって美しいと感じられる方も多いと思います。

どちらも全然違って、良いですね。

今はジャンル等の関係で、
ラティスやラジアルの現代的な楽器を使っているので、ナイロン弦使用ですが、
羊腸弦の「おおっ!今の音すごい!」を経験してしまうと、
ふとした瞬間、羊腸弦の音を欲してしまいます。

まるでコーラのように。何故だか無性に。周期的に。(笑

弦と弾き方で補正できるのはほんの僅か

楽器で、

「もうちょっと甘い音が出たらなぁ・・。」
「ここが硬いんだよなぁ。」

と思って、弦の銘柄を色々変えてみますよね。
勿論、その弦との相性で少しは補正できるんですけど、

やはり楽器の本質の鳴りは変わりません。

人間関係と同じで、何年も経つと
「ここがもっとこうなればなぁ~。」
不満も出てきます。

弾き方も変わるし、好きな音楽も少しずつ変わるし、耳も変わるんですよね。

楽器選びって面白いですねぇ・・!

それでもその時々の弦選びは楽しいし、研究する価値はあります。

Pro-Arté Rectified

プロアルテから新しい弦のセットが発表されましたね。

Pro-Arté Rectified 

Rectified=整えた

rectifyは是正する、正すという意味ですよね。

メーカーの説明によると
‘高音弦を特許取得済みのセンターレス研磨技術で正確なサイズに加工し、
完璧なイントネーションを実現。温かみのあるサウンドが特徴’とあります。

なるほど・・!
プロアルテのナイロン弦はもともとPC制御レーザーシステムで厳しく管理されて
ピッチも良いイメージですが、さらに完璧に近づけた、という事ですかね?
‘完璧なイントネーション’という表現だと、抑揚とかアクセントみたいな意味に感じますが、
反応が良いから表情がつけやすいという意味ですかね?

温かみのあるサウンドと言われると、
音にナイロン弦らしい柔らかさがある、太さがあるというイメージですかね。
ナイロン弦らしい柔らかさ、太さと言えば、オーガスチンリーガルとかセシリアのイメージがあります。

温かみのあるサウンドという表現、
個人的には音が太くて柔らかい故に芯がボケるというネガティブなイメージを
カバーするためのフレーズのイメージはあるんですが、
最近はナイロン弦も少しずつ芯が固めになってきている印象があるので、
もし本当に柔らかいのであれば、愛器の高音が硬くて悩んでいる方には良いかもしれませんね。

テンションは
ライトテンション
モデラート(ライト)

ノーマル
ノーマル

ハード
ハード

の3種類です。
残念ながらエクストラハードはありません。
しかし海外のお店からRectified弦は 0.18mm ~ 0.40mm までバラで購入可能なので、
①②弦だけRectifiedにしてエクストラハードセットを自分で調合する事は可能です。

9月10日追加分
で、試してみました。
結果、
あれ・・?普通の研磨弦じゃない?

要するに、サバレスのピンクラベルのあの弦とほぼ同じ弦でした。

あちゃ~・・いや確かに研磨弦とは書いていたけど、
まったく同じモノだとは思いませんでした。
だって・・もうサバレスのピンクラベルが出ている訳ですから・・。
プロアルテが今頃これを作ろうと思った理由ってなんなんでしょう?
参入したいくらい研磨弦ユーザーが多いという事なんでしょうか?
最近、古楽器やオールドを使用する奏者が多くなっている事も関係するのかもしれませんね。

使用感は
・爪が長い場合はやはり研磨弦の独特の音色と弾き味があって、鳴りはむしろ硬く感じます。
ナイロン弦のもつガラスのような透明感、色彩は出ません。
現代的な楽器で長い爪を用いての奏法に慣れた方には、
あまり使い道のない弦に感じられるかもしれません。

・爪が短い奏者にとってはザラっとした弦の感触が指に捉えやすく、使いやすいものです。
音色もリアルガット(羊腸弦)・・・というかナイルガットに近く、
ややザラついた複雑で柔らかさある音色と言えます。
現在の僕の楽器のラインナップ(グナテック、モイーズ)にはマッチしませんが、
リアルなスパニッシュオールドや、トーレス、サントスコピーには持ち味を発揮してくれるでしょうね!



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プロフィール

Kaoru Tanaka

Author:Kaoru Tanaka
クラシックギタリスト
札幌を拠点にコンサート,
イベント等で幅広く
演奏活動を行っている。

レパートリーは
クラシック 映画音楽
jazz ラテン タンゴ etc..
レパートリーは幅広い。

YAMAHA札幌センター
コープさっぽろ文化教室中央
コープいしかり文化教室
クラシックギター科講師
田中薫ギター教室主宰

楽器マニアです。(笑

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