2018-02

Robin Moyes 2017

Robin Moyes 2017
松・中南米ローズウッド


ロビン・モイーズ !!
ケースを開けると・・ホォォ・・。
美しい外観。まるで白馬のような気品を感じさせます。
表面板は薄ーい艶消し仕様。

moblog_0bfb7293.jpg
写真暗くてすみません。



サイモン・マーティ(以下SM)と工房を立ち上げて、ラジアル・ブレーシングを考案したと言われています。
その後袂を分かち、現在はニューサウスウェールズ州に工房を構えます。

さて弾いてみると・・
SMと比べると、弦のたわみの感触(プルサシオン)は硬め。
SMは(僕の弾いた事のある90年製の個体はですが)プルサシオンがゆるゆるで、
立ち上がりがバン!!と早く減衰も早いんですが、
ロビン・モイーズ(以下RM)は立ち上がりはSMほど早くなく、
減衰も緩やかです。

SMより普通のファンブレーシングのギターの感触に近いです。
しかし、ファンブレーシングの楽器にあるフォルテの天井が高い!
どこまででもというのは大げさですが、かなり付き合ってくれます。
10分位強めのタッチで弾いてやると・・だんだんと緩んできて、
やはり鳴るわ鳴るわ・・。
ラジアル特有のバリバリ~ッとした分離の良さがたまりません。

これは僕の個人的な見解ですが、
RMはSMと比べてもうちょっとラク~に弾いて欲しいギターなのかなと思いました。
ファン・ブレーシングに近づけた感じというか。

サイモン・マーティはファンブレーシングの楽器のタッチを
そのまま2倍・3倍にして弾いても、それに応えて
そのまま2倍・3倍の音量で発音してくれる、非常にタフで劇的なデザイン。

ロビン・モイーズはファンブレーシングのタッチと同等、またはそれより軽いタッチで、
ファンブレーシングの楽器の1.5倍の音量・音圧が出るようなデザイン。
(力んで弾けばSMほど青天井ではないけど大音量でも鳴ります。)

本番で、演奏者の表現欲にどこまでも付き合えるタフな方向に舵を切ったサイモン・マーティ。
ラジアルの音量・音圧を以てリラックスして弾いてもらう方向に舵をきったロビン・モイーズ

まったくベクトルが逆ですね。
2人が袂を分かった理由はこの辺りにあるのではないかと思いました。

試しに弦をドーガル・ディアマンテ等の反応の良いものに変えてみると・・
繊細なタッチで、触れただけでも鳴りだす楽器に姿を変えました。
しかし、ラジアルなので音量・音圧はしっかりと確保されています。

RMはもしかしたら、繊細に弾いて欲しい楽器なのかもしれません。
サラサラ~っと弾いてこの音量・・厚み。
緊張を強いる本番での演奏には、強い味方ですね!!

強く深いタッチでバリバリと鳴らす事もできるし、
繊細な弦を張って、体の負担を減らしつつ、音量を確保する事もできる。
弾き手のスタイルにどこまでも付き合ってくれる楽器と言えるかもしれませんね。
育て方で全然違う楽器になりそう。

それぞれのアプローチの違いが面白いですね。



美しい木目、マダガスカルローズかなぁ?



定番のギルバート。
ラティスやラジアルブレーシングの楽器はギルバートが多いですね。
なんでだろう?
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松井邦義 バルベロⅠ世コピー

松井邦義 マルセロ・バルベロⅠ世コピー
松 ローズウッド



昨年春位に弾いたものを書き忘れていました‐・。
(なんかここの店員さんがすごく冷ややかで・・。テンション下がっちゃって。)

ず~っと弾きたかったんですよ、松井さんのバルベロ!




サントスよりも僅かに肉付きが良く、
凛と引き締まった可憐な高音・・バルベロしてますね~!




ラベルまでバルベロです!!クゥ~!

店員さんに確認したところ、
これは バルベロ‘モデル’ ではなく バルベロ‘コピー’ だそうです。

これはハカランダではなく、ローズウッドの楽器でしたが、
十分の弾き心地!

僕はオリジナルは横・裏板がシープレスの楽器しか
弾いた事がないのですが、
シープレスのオリジナルと共通するニュアンスは感じました。
さすが松井さん!

Frank-Peter Dietrich

Frank-Peter Dietrich 197*
松 メイプル



素晴らしい楽器です。
旧東ドイツの楽器の街、マルクノイキルヒェンの銘工 Frank-Peter Dietrich



横・裏板は美しいメイプル



とても珍しいメイプル・ネック!!



傷も少なく状態ベスト!!です。
前の持ち主様が愛情をもって扱ってきたのが分かります。

デートリッヒと言えば、その繊細な音色。
このギターはメイプルの横裏板だったので、その繊細さが強調されています。
鳴り方は可憐で、もう華奢と言って良いほど。

青筋たてて声を張り上げるのではなく、
囁くように‘朗読する’タイプです。

まるで19世紀ギターです。
そう、バロックものや古典を19世紀ギターに限りなく近い感覚で弾く事ができると思います。
リュートや19世紀ギターの音を味わって以来、モダンでは合わない感じがして、
バッハやソルには手を出さなかったんですが、
このギターを手にして、思わずシャコンヌやグラン・ソロの楽譜を引っ張り出して弾いてしまった・・。w
現代曲もスペインものもいけるし、素晴らしい守備範囲。

このギターを‘鳴らない’とか言わないでね。
遠達性なんていう言葉で語らないでね。
十分聴こえます。

僕のラティスの楽器と聴き比べてもらったら、
「音は小さいけど、逆に引きこまれる。」
という意見も多くありました。

世の中には色んな楽器がありますね。

触ればポキンと折れてしまいそうな、
可憐なガラス細工のような透明な音色。
The Markneukirchen sound !!

僕は好きです。
も~すごく欲しい・・・・。しばらく売れないで欲しい・・!

迎えに行くから、どうかどうか・・・待っててくれー!!

ドイツ系ギターとは

最近、ドイツ系の楽器にハマっています。
ドイツ系といえば、
ヘルマン・ハウザー Herrman Hauser
エドガー・メンヒ Edgar monch が真っ先にイメージされると思います。

でも、ハウザーはセゴビアに依頼されたギターはトーレス、サントスを参考にして作っており、
(もちろんそれまで作っていたウインナータイプのエッセンスは色濃く残っています。)
メンヒはマドリッド派の伝説の天才、マルセロ・バルベロ1世に師事しています。
音色も個人的にはですが、ハウザーはトーレスに重量感を持たせた感じそのまま・・に個人的には感じます。
メンヒは殆どマドリッド派の楽器のように感じます。
なので僕は個人的にはこの銘工2人にはドイツを感じません。
あ、僕がドイツを感じないだけで、楽器としてはもう最高の楽器です。大好きです。

これは2年ほどハウザーを使ってみての感想です。(ローンで破産しかけた。)
弾いているうちにハウザーからトーレスを感じ、この後ジョン・レイのトーレスコピーに乗り換えました。


ではドイツ系とは?
これは完全に個人的見解ですが、
ゲオルグ・シュタウファーを中心としたウインナーモデルの音色を
受け継いでいる製作家ではないかと思います。

ひとつはワイスガーバーを中心とした、
東ドイツのマルクノイキルヒェンの製作家、
またはそれに影響を受けた製作家達に‘ドイツ系’を感じます。

シュタウファーとワイスガーバー2本

それらは形はモダンギターの形をしていますが、スペインギターの影響は少ないです。
音はシャープで、透明感に溢れています。
個人的にはドイツ系ギターというのは、ざっくり東ドイツの製作家の事だと思っています。

もうひとつはオーストリアの製作家
すみません、オーストリアの製作家のギターを全部弾いたわけではありませんが・・・。
オーストリアにはKontragitarren コントラギターという楽器があり、
この見た目は完全にシュタウファー型のウインナータイプがベースになっています。

コントラギター

たなかが‘ドイツ系’を感じる製作家を列挙してみます。(笑

リヒャルト・ヤコブ・ワイスガーバー Richard Jacob Weißgerber
マルティン・ヤコブ・ワイスガーバー Martin Jacob Weißgerber

アドルフ・マイネル Adolf Meinel
ウラリク・マイネル Ulrike Meinel

アルミン・グロップ Armin Gropp
マリオ・グロップ Mario Gropp

ジークフリート・アイヒホン Siegfried Eichhorn

フランク・ペーター・デイトリッヒ Frank-Peter Dietrich

ヨアヒム・シュナイダー Joachim Schneider

古くから代々続く、製作家のお家が多いのも特徴ですね。

5年前、ドイツの楽器店から、
「ワイスガーバー、☆0万でイイヨ、買イマセンカ?」
とメールが来たのですが、
その頃はそのお店から買った某スパニッシュオールド&羊腸弦に激ハマり中で、
お断りしてしまったのが悔やまれます。
今思うと、あり得ない価格でした・・・。

MT2 SPREAD DT 

岐阜の製作家 寺町 誠 氏もダブルトップを発表!!
きてますねー!ダブルトップの波が!

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プロフィール

Kaoru Tanaka

Author:Kaoru Tanaka
クラシックギタリスト
札幌を拠点にコンサート,
イベント等で幅広く
演奏活動を行っている。

レパートリーは
クラシック 映画音楽
jazz ラテン タンゴ etc..
レパートリーは幅広い。

YAMAHA札幌センター
コープさっぽろ文化教室中央
コープいしかり文化教室
クラシックギター科講師
田中薫ギター教室主宰

楽器マニアです。(笑

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